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Hikobayu BLOG

熊本、大分、千葉へ林福連携のヒアリング同行|その2

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少し(結構)時間が経ちましたが、ブログ再開です。

2月の話ですからー笑

一般社団法人HITさんの依頼で、林福連携のヒアリングに同行のお話です。

このころの九州よりまだニセコは寒いです。

雪道路脇にはまだまだあります。4/12! ヒー。
 

2日目は大分県宇佐市の『株式会社 宇佐ランタン』さんにお邪魔しました。

林業は、関係なかったのですが、障がい者雇用の最優秀事例の一つであるためお伺いさせてていただくことにしたそう。
 

ランタンを作っている会社なのですが、なんと業界トップシェア!!

そのほかは、個人でランタンを作っている人がいるような業界のようです。

もともと、内職や農閑期にランタンは作られてきたようです。

雨風に強く、様々なデザインを施すことのできる特許をお持ちのようです。

街で見かけるほとんどのランタンはこちらから作られていると言っても良いでしょう。

これまで手がけた数ある商品のほんの一部で少し置いて見本ですが、

ももいろクローバー、サザンオールスターズ、サントリー、花王、吉野家さんなどなど

おおお、すごいですね。

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創業は昭和48年で、谷川会長、谷川社長に色々教えていただきました。

工場の様子はこのような感じ。

骨組みの組み立て、骨組みに上手に貼り付け、サイズによってなどなど、、持ち場があるよう。

社員の7,8割くらいは障がいを持つ方のようである。

本当皆さん器用で、真面目に働いていて、どの方が障がいがあるのか教えてくれないとわかりませんでした。

 

会長の障がいを持つ方との関わりのきっかけや、これまでの歩みから語ってくれた内容には、

何か気づかされるものがありました。

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ちなみに上のスローガンは、従業員の障がいを持つ方が、話した内容を採用したそう。

『走攻守すべてができるイチロー選手がスーパースターなら、持ち場全部できたらスーパースターだね!』と。社長が考えたわけじゃないとのこと。

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写真は、吊り下げてノリを乾燥させる設備。

設備投資もするが、効率や利益を追いかけているのではなく、人間の精神的にも肉体的にも精神作業の疲労を軽減するためにしている。環境に配慮した省エネのように、人間の負担を少なくするために。人間を置き去りにしないための設備投資を続けている。結果生産効率も上がる。

ニュアンスが難しいんだけど、伝わったかな?と。

自分は、何か微妙な違いを感じた。

働く皆さんのためなんだという愛情に聞こえた。素敵な会長さんだと思った。

利益を追求し続けるだけではなく、人を置き去りにしない。

ロボット社会が訪れたとしたら、働く人間を守れるかどうか、未来をみた気がした。

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応接間に戻り、お話を続ける。

お部屋には数々の様々な省庁や県などなどの賞状。

障がい者雇用に至ったきっかけは、地域のお寺の息子さんが障がいをお持ちで、親御さんがどうか働かしてもらえないかと頼まれたとのこと。手に持つ写真はその時の写真。

”最初はどうしたら良いか何もわからなかったが、

きちんとコーチングしたら、できるようになった。

スポーツの世界の指導者はコーチ。学校の先生はTeacher。

スポーツの世界は選手が主役だからコーチ。

宇佐ランタンさんでは障がいの持つ方へコーチングをする。

こうしなさい。ではなく、こうやってみようか?

子供たちの人間としての力を引き出すのがテーマだ。

教えることは、必要ない。

引き出すコツは、現場にいて、ポッと一言声をかけてあげるタイミングがあるんだ。”

 

うーん。自分もそうしたいです。そうするようにします。

子育てにも、役に立ちそうです。

”実習も仕事もインターバルを設けることが、重要。

慣れさせること。本人の意識を変化させるため。

初めは、一週間くらいきてもらう。

作業をかじるくらいと、人の顔を覚えるくらいで良い。

2回目は数週間空いてから、またきてもらう。

2回目になると、最初の時より環境に緊張がないから、作業をもう少しやってみる。”

そうですよね。最初って緊張するもんですよね。

自分も気づかないけど、帰ったらどっと疲れたりしますもん。新しい環境。

”そしてまた数週間空いて、3回目にきたときは、みんなの顔も知ってるし、作業も大体やったことあるし、スムーズにもっと高いレベルの仕事をしだす。”とのこと。

ある福祉雇用の担当大臣が訪れたときに、皆さんの働きっぷりに度肝を抜かしたそう。

どうしたら、こうなるのか?こんな現場はありえないと。

”3年も仕事をすれば、みんなプロ。障がいの有無は全く関係なくなる。”

”そして、健常者の人は、家が欲しいからとか車が欲しいとか、理由があるから働くけど、

障がいを持つ方は、働くという動機が弱い。

しかし、仕事を覚えてうまくいけば、褒められたり、みんなとコミニケーションをとったり、自分の作ったランタンがテレビに映ったのをお家で見かけたりすると、やりがいを覚える。

それが生きがいに繋がったりもする。

まー、色々あって今に至るから、言えるようなもんなんだけどね。”と。

地元の友人からは、障がい者雇用をするようになってから、なんだか優しい顔つきに変わった。

と言われたそう。昔はもっとギラギラしてた。なんて。

就労支援ではなく、一般雇用である。

働く皆さんは、きっと会長のことを怖いと思っている。とのこと。

叱ったりもすることもあるし、それでも信頼に値すると思っているだろうと。

会長は、経営者でもあるが、皆さんにとって愛情あふれるお父さんのようなコーチなんだと感じた。

翌日は千葉県の福祉楽団さんに見学へ。

続く。

※ ” ”内は自分の要約です。